2020.9.17.乙女座新月の星読み
魚座満月の大浄化を経ての乙女座新月では、新世界をどんな風に生きたいか決意します。
月と太陽に山羊座の土星がトラインしていますが、土星には冥王星がいつもぴったりマーク、さらに逆行をはじめた火星が揺さぶりをかけています。
牡牛座のアセンダントは天王星とぴったりコンジャンクションし、価値観の変革を促しています。牡牛座の価値観の変革とは、自分自身の価値の再認識。
チャートルーラー金星は4ハウス獅子座にありますが、この天王星とスクエア。既存のブランド志向/神話への問い直しが入り、個人としての価値観を認めることで自己の安心感を取り戻し、自分自身で輝く基盤を創っていくことが、この乙女座新月のテーマなのでしょう。
自分の中の価値基準を認識し育みなおす。その新しい自己で他者と対峙し、向かう天秤座で調和していくための基盤づくりです。乙女座の支配星・水星は一足先に天秤座の18°へと進んでいますが、山羊座木星とジャストのスクエア、社会的な価値観と調和した自己との間に葛藤が見て取れます。
アスペクトラインは出ていませんが、太陽/月とぴったり135°(90°+45°)を形成しています。同じ地のサインで、太陽/月は山羊座土星とトラインを組んでいますが、トランスサタニアン天王星の影響は無視できません。地の時代(物質主義/組織)から風の時代(見えない心と心のつながり)への変革を促されています。
太陽と月のサビアンシンボル
乙女座26°「香炉を持った少年」
地の時代の錬金術は、香りなどの目に見えないものを、香油やお香など目に見えるものに変え、所有し増やし対価を得て交換していくこと、やがては物質そのものに価値が移り変わっていきました。地球の資源の上に成り立っている貨幣経済は、いずれ頭打ちになるような危うさがあります。
風の時代の序章には、人々が軽々と移動できるようになるとともに、物も国境を超えて広まり、持ち運びが用意になったり、デジタル化されたりと、必ずしも物質そのものを介さなくとも、贈与や交換が成り立つようになってくると同時に、見えないものに価値が見出されるようになってきました。
一方では、確かなものって何?という気持ちも強くなっているのではないでしょうか。目に見えるものなのか見えない何かなのか、それは頭ではなく自分の感覚で「感じる」しかない。
人間は「五感」視・聴・嗅・味・触の五つの感覚で感じますが、その中でも嗅覚というのはいちばん原初的な感覚に訴えるものなのかなぁと思います。言葉にするのも同じ感覚を人に伝えるのも難しいけれど、確かに「何か」を感じ取らせるもの。
自分と違う人の匂い、その違いで異国を感じることもできる。空腹時には美味しそうな食事の匂いがたまらないけれど、傷んだ食材の臭いを嗅ぎ分けることで安全に食事を摂ることもできる。目には見えない微細な香りの成分にリラックスしたり興奮させたりする効果があるというのは科学的にも証明されている(それだけではない人それぞれの感覚の作用があるのだけれど)。
サビアンシンボルの「香炉を持った少年」は宗教的な儀式を連想させます。エジプトや中東の国々では今も家の軒先で香を焚くなど、フランキンセンスなどの香りが日常にたゆたっているそう。それは信仰を表したり神々や客人への敬意を表すものであり、同時に自身の精神に深い影響を及ぼすものです。
目に見える形をもたない香りは「風」の属性です。まだうまく決意を言葉にできなくとも、お香を炊いてみるなど儀式的なことをするだけでも、風の時代への変化の意志を、潜在意識に深く働きかけることができるのかもしれません。
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