「ムーミンの日」トーベ・ヤンソンの星を読む

今年は新月も加わり、誕生日である8/9という日と向き合う必要を強めに感じています。
なんだか「ムーミンの日」からヒントをもらう日々。そういえば、エジプトから帰国した日に泊まったホテルのフロントにムーミンの看板があったな…1年半越しに、そのシンクロを辿ってみる。
作者トーヴェ・ヤンソンに敬意をはらいつつ、ホロスコープを読ませてもらおう。
1914年8月9日ヘルシンキ生まれ、
2001年6月27日宇宙へ帰還。

同じ誕生日で10ハウスでも、
太陽のサビアンシンボルは1°違い。

獅子座16°「嵐の後の陽光」

MCコンジャンクション、10ハウスの太陽は独りぼっちで、孤高な感じ。
でもアセンダントは天秤座、1-3ハウスにはパラスのみ、西側に星が多いから、他者との関わりの中で揉まれ成長していく。
アセンダントは天秤座23°「雄鶏」、目覚めの合図を受けて産まれた、信念と情熱の人。
両親とも芸術家の家で、表現することが生きる目的であるような獅子座に生まれついた宿命の人。

太陽と向かい合う水瓶座に木星と天王星。
戦時下にあって革命をテーマに表現をし続けた。
戦争が終わったらば、個性的な物語の登場人物たちは平和の象徴にもなりうるのだから不思議です。

月と火星/金星も向かい合い、間にある土星/冥王星が緊張感をもたらす。
生まれたのは第一次大戦が始まった年、しかもこの獅子座の季節、ちょうどトーヴェのMCの指す角度に太陽がある頃のこと。
この時まだ発見されていない冥王星が蟹座に入ったばかり。冥王星は核や破壊と再生を表すとされ、蟹座冥王星期に第一次世界大戦、1930年に冥王星が発見されたのち獅子座冥王星期に、核爆弾が使われた第二次世界大戦が起こっています。
蟹座/獅子座は月/太陽が支配するサイン。ここに冥王星という星が絡んできたときに、目に見える世界を大きく揺るがす2つの出来事が起きていた…
彼女の人生にも大きな影響を与えないわけがない。
だけど、時代に翻弄されるのでなく、時代を超えて生き続けるものを生み出すのが獅子座たる所以。

よく水瓶座はスナフキンに喩えられる。
ムーミン(獅子座)と対極にいる存在、
理解できないけど強く惹かれるのだ。
自分の世界に留まり孤高の存在でありたいけれど(水瓶座4ハウス)、太陽の目的意識は強い意志を持ち他者をも照らす存在になること(獅子座10ハウス)。

月のサイン魚座は、太陽と150°、噛み合わない、互いに理解し難いサイン同士というのが定説です。
母親を表すとも言われます。ムーミンパパが太陽でムーミンママが月、とするととてもしっくり来るような気がします。パパが主役の2冊があるけど、いつだって全て受け入れる器を持つママがいるから、ムーミン一家は平和なのです。

芸術家の娘トーヴェは、技巧的な表現にも世間にアピールする能力にも長けていたことでしょう。ムーミンたちは本来的には自然の中にいる妖精のような存在。だけど戦争という時代の中でカリカチュアや批評という表現の中に登場するキャラクターとして暗躍し、やがては平和の象徴のように変化していく。

そして、ふと同じ8/9に起きた悲劇、長崎への原爆投下のことが思い浮かびました。
戦争の始まった時代に生まれ、その大きな世界戦争が一応の終わりを告げる少し前に起きた出来事が、彼女の誕生日であったということ。

何か決定的なタイミングのような気がしてチャートをとってみると、1945年8月9日は新月の翌日ですが、トーヴェの太陽の度数で起きていたのです。
そしてこの終戦の年というのは、ムーミンが世に出る年となったようで、彼女のインタビューを読んで鳥肌立ちそうでした。
獅子座は子どもを表すサインでもあり、トーヴェ自身は子どもはいませんが、産み出したムーミンたちが子どものための本になったということ…
トーヴェの月のサビアンシンボルは、

魚座26°「影響を分割する新月」

トーヴェ31歳(若い!)、まさにターニングポイントだったのかもしれない。その時代に生きた人々にとってはみんなそうなのかもしれないけど、ムーミンの世界観がこんなにも密接に戦争とつながっていたとは思いも寄らなかった。戦争と平和とは表裏一体なのだ。

エレメント別にみると、太陽とMCは「火」でも、他のが圧倒的。彼女の才能である描くことを表す水星は蟹座、蟹座の支配星・月は魚座、魚座の支配星・海王星は蟹座と、「水」サイン強め。そして太陽獅子座の対極の水瓶座に木星とオウンサインにある天王星、アセンダントも「風」サイン。チャートルーラー金星と火星は「地」のサインにある。嵐の中でもしっかりとした基盤の上で火を絶やさないことが彼女の生き方だったのだ。

射手座に星はないけれど9ハウスのステリウム、理想の世界において表現し続けた人。冥王星が射手座にある時に、究極の理想の世界に旅立って行ったのでしょう。

トーベはその長く並外れたキャリアを通じて、とても一人の仕事とは思えない幅と量の作品を遺しました。油彩画家であり、フレスコ画家であり、イラストレーター、風刺画家、児童文学作家、漫画家、絵本作家、作詞家、舞台美術家、商業デザイナー、映像作家、そして小説家でもあった彼女の人生は、どんな時でもまず仕事ありきだったといいます。でもその仕事は日々の生活の中から生まれました。家族、友達、愛した人々と、彼女が経験した出来事が、時には明示的に時には暗示的に、あらゆる作品に現れています。彼女にとって、グラフィックアートと文学、芸術と人生、仕事と愛の間に境界線はなく、すべてはひとつだったのです。
86年という歳月を生き抜いたことを一言でとても表せないのかもしれないけど、まるで太陽と月を統合するような彼女の生涯。
いや、人間はその目的のために生きているのかもしれないな。

Atelier Soleil

「私らしさってなんだろう?」 
2020年に星読みと出会い、その問いに答えを見出すべく日々星と向き合う中で、 少しずつ見えてきたことをシェアしています。 自分らしい輝きで人生をクリエイトしていこう。 « アトリエ・ソレイユ ~太陽のアトリエ ≫ という名前には そんな想いを込めています。

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